太宰治『津軽』

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買ったまま何年も本棚に眠っていた太宰治の『津軽』をようやく読みました。

この作品、ここ1年で読んだ本の中で一番面白かったかもしれない。

太宰が三週間ほどかけて故郷の津軽を旅する作品。

太宰と言えば、『人間失格』や『斜陽』などで、暗くてネガティブなイメージがあるけど、

『津軽』はとても明るく素顔の太宰はこんな人だったのか、と驚かされた。

中二病作家とも言われる太宰だけど、

自伝的作品の『津軽』では、過去に中二病だった自分を懐かしんだり、

二日酔いになってお酒を飲みすぎたことを後悔したり、

でも、何度後悔してもまた飲みすぎちゃうとか言ってたり。(僕といっしょだ)

太宰作品の中では、特異な作品と言われる『津軽』だけど、

実は太宰の本質のような作品なんじゃないかな、と思いました。

それに名言がたくさんあったのもよかった。

  • 私には、また別の専門科目があるのだ。世人は仮りにその科目を愛と呼 んでいる。人の心と人の心の触れ合いを研究する科目である。私はこのたびの旅行に於いて、主としてこの一科目を追及した。
  • 信じるところに現実はあるのであって、現実は決して人を信じさせる事が出来ない。
  • 本当の気品というものは、真黒いどっしりした大きい岩に白菊一輪だ。
  • 大人とは、裏切られた青年の姿である。
  • 知らん振りして、信じて、しばらく努力を続けて行こうではないか。
  • さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では失敬。

特に最後の「さらば読者よ~」はたまりません。

2016-12-23 | Posted in 09.書籍・雑誌No Comments » 

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