はじめましてイタリア #2

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2006.9.2

マルペンサ国際空港からバスで40分ほど走ると、ミラノ市内に入った。

生まれて初めて見るヨーロッパの街並みは、一見とても美しかったけど、

ところどころ建物や壁に落書きがされてたり、不良がたむろしていて、

どう見ても治安は良くなかった。

 

同じバスに乗っていた日本人が、窓の外を指差しながら、

「ああいうのはみんな娼婦なんだ」と言っているのが聞こえた。

「娼婦!!?」と思わず窓の外を見ると、

半分おしりが見えているようなミニの域を超えたスカートを履いたセクシーなお姉さんが、

タバコを吸いながら、ミラノの暗い道端に立っていた。

ローマやミラノなどの大都市に数万人いるとされる、いわゆる「立ちんぼ」だ。

そんな娼婦を見ても、いやらしい気持ちなど微塵も感じず、

ただただ、「イタリア怖ぇぇぇよ…」という気持ちしか湧いてこなかった。

先が思いやられるイタリアの旅。

まだイタリアに到着して2時間しかたっていなかった。

 

ホテルに着いたのは22時をまわった頃だった。

空港での出来事や、夜の暗黒面に満ち溢れたミラノを見て、

心が満身創痍の状態だったので、ようやく落ち着ける、と心が躍った。

チェックインを済ませ、重たいスーツケースを引きずって部屋へ急いだ。

「一刻も早くベッドに寝転がりたい…」と部屋の鍵を回し、ドアを開ける。

…はずが、確かに「カチャッ」と解錠された音がしたはずなのに、ドアが開かない…。

もう一度、一旦鍵を左に戻してから、右に一周、カチャッと音がするまで回して、

ドアを押してみるけど、開かない。

全体重をかけて押してみても、やはり開かない。

「押してだめなら引いてみろ!」

…でも、やっぱり開かない。

「まさか、横にスライドさせる…??」と、わずかな可能性に賭けて、スライドを試みるも、

やはり開く気配は微塵もない。

 

ドアとの格闘を始めて5分くらいたった頃だろうか。

「ぼちぼち諦めてホテルのフロントに相談しに行くか」と思い始めたころ、

若い男性のホテルマンの姿が長い廊下の彼方に見えた。

思わず、

「ス、スクージィ!(すみません!)」と大声で、そのホテルマンに声をかけると、

笑顔でこちらに来てくれた。

「アイ キャント オープン ザ ドア!」とめちゃくちゃ拙い英語で言うと、

「スィ!」と気持ちのいい返事をしてくれた。

 

あれだけ苦労したのにそのホテルマンはいとも簡単にドアを開けた。

正解は、やはり「引く」でも、「スライドさせる」でもなく、「押す」だった。

「なんで開いたの?」と驚きの眼差しで彼を見つめると、

「少しコツがいるんだよ」と教えてくれた。

ドアは二重ロックになっていて、鍵を右に回してカチャッと音がしたあと、

さらにもう一周右にカチャッと音がするまで回さないといけないとのことだった。

しかも、ドアの建付けが悪いとかなんとかで、

二周目はドアノブを引きながら回さないとうまく開かないとのことだった。

こんなややこしいドア開けれるかい!

しかし、ホテルの方がとても親切に対応してくれたため、

自分の中で芽生えつつあったイタリア人恐怖症は少し和らいだ。

そう思うと、ドアが開かないトラブルは良かったのかもしれない。

 

部屋に入ってようやく落ち着くことができた。

バスタブがあったので、ゆっくり湯に浸かったあと、

小腹がすいたので、日本から非常食として持ってきていたカップヌードルを食べた。

カップヌードルをすすっているあいだは、遠く恋しい日本を感じることができて、

「こんなにおいしいカップヌードル食べたことない!」と涙が出そうだった。

たった9日間の旅、しかもまだイタリアに到着したばかりなのに、である。

あまりにもヘタレである。

 

この日は相当疲れているのになかなか寝付けなかった。

ベッドに横になり、iPodで音楽を聴きながら、

ケータイのボンバーマンのゲームをぼうっとやりながら、眠気が来るのを待った。

「いよいよ明日は一人でさっきの暗黒面に満ちた街に繰り出すのか」と思うと、

正直不安で仕方なかった。

 

正直しんどい旅はつづく…。


あわせて読みたい

『イタリア旅行記(2)~ミラノでの出会い(前編)~』

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『イタリア旅行記(3)~ミラノでの出会い(後編)~』

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2016-08-21 | Posted in 18.イタリア旅行記No Comments » 

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