はじめましてイタリア #1

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ちょうど10年前の2006年の夏、9日間ほどイタリアに行った。

初海外で初一人旅。

ずっと憧れていたフィレンツェに行くのが目的だったけど、

せっかくだからミラノから入国して、ヴェネチア、ローマも見て回ることにしていた。

 

2006.9.2

関西国際空港で、初めてでよく分からない搭乗手続きを、

「これでいいのか?」と思いながら適当に済ませ、生まれて初めて国際線の飛行機に乗った。

利用したのはイタリアのブルーパノラマ航空。

飛行機に乗った瞬間、イタリア人CAが「Buongiorno!(ボンジョルノ!)」とお出迎え。

まだここは日本と完全に油断していたところに、

いきなり本場の「Buongiorno!」をくらって、ドキリとした。

乗客のほとんどは日本人ではあるものの、CAはほとんどが外国人で、

機内には味わったことのない異国の雰囲気が漂っていた。

これが国際線の雰囲気か。

海外経験ゼロで、外国人と会話したのも学校の授業くらいでしかなかった僕は、

まだ離陸すらしていのに、早くも一人外国に放り出されたような気持ちになった。

今思えば、よくこんな肝の小さい男が初海外初一人旅を決行したものだ。

 

座席についてからも、新鮮なことばかりで、落ち着かなかった。

お手拭きが配られると、

「うわ、このお手拭き、嗅いだことのない異国のいい香りがする…」と感動したり、

(まだその香りは鼻の奥に焼き付いている)

機内食の時間になってCAが食事を配りに近づいてくると、

「ビーフ or チキン?って聞かれるのかな…うまく返事できるかな…」とか、

「”グラッツィエ”ってうまく言えるかな…」とか、不安になったりした。

そういった落ち着かない気持ちを誤魔化そうと(あと好きなだけ飲めるのをいいことに)、

ビールやワインをぐびぐび飲んで、酔っぱらって、さらにちょっと気分が悪くなって寝た。

 

急に機内がパッと明るくなって目が覚めると、

あと1時間ほどでミラノへ着陸するとのことだった。

着陸の数分前、窓の外にミラノの夜の光が見えた。

大阪の夜景はクールで白っぽい光がぎゅっと詰まっている感じがするけど、

ミラノの夜景はオレンジのあたたかい光がきれいな線を描いていた。

 

ミラノのマルペンサ国際空港は思ってたよりも閑散としていた。

周りにいるのは、みな外国人(いや、ここでは自分が外国人か)で、いよいよ心細くなった。

とりあえず飲みすぎたアルコールを出そうとトイレに向かった。

トイレの小便器は、日本ではもうほとんど見られなくなった、

丸っこい便器が宙に浮くように壁に取り付けられたものだった。

いざ、用を足そうと便器の前に立つと驚きの事実に気付く。

便器の位置が異常に高い…。

日本人よりも背が高く、足も長い欧米人向けの設計だ。

足の短い日本人の中でも、特に短足とされる僕は、

アレがほぼ便器と同じ高さか、若干低いくらいの位置にあったので、

必死に背伸びをしながら、なんとか用を足した。

まさか用を足すだけで、ふくらはぎをぷるぷる震わせることになるとは…。

 

そして最大の修羅場、入国審査。

英語は好きだったけど、スピーキングの実戦経験が皆無と言ってもいい、

典型的な日本型対受験用英語教育のみを受けてきた僕。

「滞在日数とか滞在目的以外に聞かれたらやばいな…。」

「入国できず不審者として連行される可能性も皆無ではないな…。」

と相当びびりながら、いよいよ自分の番。

しかし、「コンニチハ!」と言われただけで、あとは特に何を聞かれるでもなく、

驚くほどあっけなくイタリア入国。

ボンジョルノ、イタリア!

 

マルペンサ国際空港を出て、初めてイタリアの外の空気に触れた。

まだ9月になったばかりだったけど、夜のイタリアの空気は少しひんやりとしていた。

心配であれこれたくさん詰め込んできた重たいスーツケースを引きずりながら、

ミラノ市内へ向かうシャトルバス乗り場を探していると、後ろから、

「ヘイ!」と声をかけられた。

振り向くと、道端に座り込んだ若い白人の男が、

僕に向かって、なぜだか笑みを浮かべながら、右手の中指を立てている。

「やばい、イタリア怖ぇぇぇ…。」

イタリアの治安があまりよくないとは聞いていたので、

ある程度覚悟はしてたつもりだったけど、到着早々これかい!

「ひぃぃーっ」と、半泣きになりながら一目散に逃げた。

これが、まだハタチになったばかりのかわいい僕とイタリアの最初の出会いだった。

あまりにも刺激的な出会いすぎた。

 

バスに無事乗り込んで、ようやく少しだけほっとできた。

癒しを求めてiPodでEnyaの曲を聴きながら、

ぼうっと窓の外を流れる暗いイタリアの景色を眺める。

初めてやってきた異国の地。

先ほどの出来事を思い出しながら、

「日本人はイタリアでは嫌われてるのかな…」

「とんでもない国に来てしまったな…(もう帰りたい)」

などとネガティブなことばかりが頭の中を駆け巡り、

憂鬱な気持ちで、ミラノへ向かうのであった。

 

つづく。


あわせて読みたい

『イタリア旅行記(2)~ミラノでの出会い(前編)~』

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『イタリア旅行記(3)~ミラノでの出会い(後編)~』

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2016-08-14 | Posted in 18.イタリア旅行記No Comments » 

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